”ものづくり” について
1310です。
ものづくりについてこれから進めていこうと思うことを書きます。
ファブリケーションが流行の昨今、様々なものが手作りで出来てしまう時代になってきました。
たとえば、家庭用3Dプリンターは10万円を切り、レーザーカッターだってキックスターターなどで見ると10万円を切っています。
Tシャツくんで代表されるようにシルク印刷も、材料も簡単に手に入ります。皮加工だって、レジンを使ったプラスティック製品だってハンズやユザワヤ、ネットで材料を買え、作り方だってネットでいくらでも出ています。
私が大好きな釣りのルアーだって、様々なハンドメイドキッドがあり、メタルジグからプラグ、ワームだって作れてしまいます。
なので、わたくしも素人ながらルアーを作ったり、3Dプリンタ用データを作ったり、T-シャツくんでオリジナルTシャツを作ったり、FABLABに行っていろいろ話しをしたりと楽しんでいます。
キャンプに行った本栖湖で、釣れても釣れなくても自作ルアーを投げているときはとても気持ちがいいものです。
そうやっているうちに”ふと思う”ことがあります。
「何のために自分で作るのか?」と言うことです。
私はハンドメイドルアーを作るとき、仕上げるイメージは”市販されているもの”のイメージで作っています。
Tシャツだって、売りものと遜色ない!を目指して作ることもしばしばです。そんなときの気持ちは、「プロっぽいでしょ♡」 という気持ちです。
ものづくりをするときに勘違いしてしまうことの一つとして、大量生産されているものに近づいてしまうことです。
それ自体は悪いことではないとおもいます。なぜなら「大量生産されていること=良いもの or 使用に十分耐えうるもの」 であり、だから増産されているのですから。
自作する一つのメリットとして、コストダウンがあります。材料費を考えると、手間隙をかければ明らかに作ったほうが安いものがあります。
たとえばオリジナルの名刺入れ。端切れで十分作れるサイズの名刺入れなんかは、形もオーソドックスで、縫いも少ないので、革屋さんの店前で売っている端切れで簡単に作れます。また、パラコードブレスレットなんかも、パラシュートコードにこだわらず、100円ショップで売っているナイロンロープなどで作ってもめちゃくちゃかわいいものが、超安価で出来ます。
技術料として溶接や旋盤などの特殊加工が入るととハードルがあがるので買ったほうが安い!ですが、ルアー(アオモノ用は無理ですが)なんかは、手間と材料購入すればいいだけです。なので、楽しむには十分なルアー程度のものであれば、販売品よりも安く作れそうなものです。がしかし、数多く作らないと材料費を計算するととんとんであることが多く、ワゴンセールになっている一流品なんかと比べると、コスト的にアップしてしまいます。
T-シャツくんというTシャツ製造機だって、シルク印刷用のシルクスクリーンがまた高くて、機会代金、消耗品代を考えると、オリジナルTシャツをショップにお願いしても、そんなに金額は変わりません。
なのに、出来たものはいかにも売っていそうなもの・・・。じゃあどこかのお店で売っているものを買えばいいじゃん!となるわけです。
そこで、今回のものづくりのテーマに振り返ってみます。
ものづくりとはなにか? それは、決して工業製品や誰かの作品を真似て作ることが終点ではありません。どのように作られているか?の理解はスキルとして必要なことで、何かを真似ることもスキルや知恵の理解ということでとても重要なことです。しかし、”それをなぜ私が作る必要があるのか”がテーマとならなければ、単なる自己満足だけに終わってしまいます。
振り返ります。自作ルアーを本栖湖で使っているときの自己満足はなんとも充実した時間です。
自己満足が自らそれを作る理由であれば、それはとても充実した答えとなります。とてもすばらしいことです。
がしかし、もしそれを誰かに使ってもらおう、誰かに買ってもらおう、誰かに飾ってもらおう となった瞬間に、また理由が必要になってきます。
それをなぜ自分で作る必要があるのだろうか?他の人でもいい、なぜそれをあなたがつくらねばならなかったのですか?と、問おうとしてみてください。
品質の悪い模倣品は、私は世の中にゴミを増やすだけの行為 と思っています。勘違いしないでいただきたいのは、そこに意思があり、表現不足であったり、スキル不足であったりで未熟な製品であることに関しては問うていません。
そんなこんなで、ものづくり について、是非もう一度考えてもらいたいこと。
なぜそれを自分が作る必要があるのか?
わたくしも日々問答しているテーマです。
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