1310 COFFEE について
⚫️1310 COFFEE ROASTER(イサト コーヒー ロースター)
⚫️焙煎士 三枝 勲(さいぐさ いさと)
1972年生まれ 西荻窪在住
趣味:コーヒー焙煎、釣り、デジタルでのものつくり
手網焙煎、フライパン焙煎を10年続け、目と耳と鼻とフライパンで豆が回る振動を感じ取りコーヒーと対話をしてきました。アナログな焙煎で培ったのは、好きな味を出すために、一つの機材を使い続け、「いろんなことをしてみる」ことが大事だということでした。
”多くの失敗をすることで、失敗の数を減らすことができる。”
これが趣味ではなくお店として皆様に安定した豆を届けるために必要なことでした。どうすると不味くなるか?をきちんと知ることは、どうすればおいしくなるかを知ることになります。
もっとおいしく、もっとおいしく
を追求するためには、常識や定説にとらわれない挑戦が必要で、今もずっと挑戦中です。どちらかというと楽しく研究しているという感じですけれど。
現在では時にスパイシーさやフルーティーさを前面に出した季節限定のブレンドも楽しみますが、基本は、古いけれどよく手入れされた古民家で感じる落ち着いた香りとでもいうのでしょうか、山小屋の朝薪ストーブの香りとともに飲むコーヒーとでもいうのでしょうか、そんな一杯のコーヒーをベースに時期やその年のベストマッチを探しながら提供しています。
近年カフェインレスの需要が高まり、おいしいカフェインレスコーヒーの開発に長い時間をかけてきました。結果、フライパン焙煎をしていたからこそ突き詰められたある手法でしか再現できない味にたどり着き、今の1310 coffee roasterの原点にもつながっています。
そのほか、カフェインコントロールコーヒーとして、カフェインレスを混ぜたオーダーメイドブレンドも人気が出てきております。
ストレート、ブレンドいずれも最後の一滴まで温度の変化で味わいが変わりそれも楽しさの一つです。そのため、ブレンドは香りつけや甘みつけのために、数%はストレートでは提供しない豆を使ってブレンドしております。
コーヒーという嗜好品は。お客様が全員最高においしいと思っていただける同一コーヒーは存在いたしません。なので、選ぶ楽しみ、注文する楽しみをお互い共有しながらご提供できればと思っております。
【フライパン焙煎について】
フライパン焙煎はオープンドラム状態だから香りが飛ぶとか、熱風が通らないから表面からの熱伝道だけだからだめだと言われますが、10年続けてみるととてもおいしいコーヒーに仕上げることができるようになりました。器具の特徴を知ることは焙煎の基本であり、そこからその特徴に合わせた焙煎方法を展開していけば良いのです。
オープンドラムがだめと言われる理由を検証し、いろいろなものを被せてw、そしてクローズドラムの難点も気づいたことで初めて、焙煎器の調整がまともにできるようになりました。
フライパン焙煎にはやはり限界があります。でもそれはとても高い次元での限界で、”おいしいコーヒー”を作るにっは十分すぎる道具であることは間違いありません。
そのステップを踏んで、よりおいしいものを求めるのであれば焙煎機へ移るということでもよいと思っています。
焙煎機は一見オートマチックに見えるのですが、実はものすごくアナログで、焙煎機と自分の五感をマッチアップさせないことにはおいしい豆にはなりません。私の基本はフライパン焙煎でできた、甘くコックリとしたホッとできる香りの一品です。それを焙煎機で再現するには結構苦労しましたし、フライパンでは出せない焙煎機の良さをプラスできた時は非常にうれしかったのを覚えています。